転職後はじめてOJTを任されることになったので、これを機にリーダーとはどんなものかを学ぶことに。 読んでみた感想としては、OJTの思考というより上司とか大きいチームを運営するマネージャーの考え方だなあと思いました。 OJTはマネージャーよりプレイヤーよりですのでこの本のマインドを入れすぎないほうがよいと思いました。
いかなるときも「個人的な感情」を横に置く
感情を出してよいのは結果が出たあとでないと感情/モチベーションに左右される。
リーダーが冷静に淡々と成果を出すために5つのことを行う。
「職場の雰囲気が良くなる」⇒「成果が出る」
ではなく
「成果が出る」⇒「職場の雰囲気が良くなる」
リーダーの役割は、部下のモチベーションを上げることではなく、成長させること
私もチームではモチベーションを先になんとかしようとして、自分がただ尻ぬぐいをするマインドが整っていました。。 1on1を行ったりチームメンバーとのコミュニケーションを取ることを優先していました。。
序章
プレーヤーから頭を切り替えるためにやること
- 部下と距離を置く(良い人にならない)
- 「待つ」こと
- 部下と競争しない
- マネジメントを優先する
「ルール」の思考法
ルールは作らないとストレスになる。ルールがない状態で自由にふるまって、それがもし感情論的にアウトであれば注意される。
何が自由なのかわからない状態では自由にふるまうことすらできない。
ルールには例外を作らない。
「上司」や「部下」はルールの産物。人間的に偉いわけではなく機能に過ぎない。
個人的にこれすごい好きな考え方ですね。
ルールには2つ
- 行動のルール:できる出来ないが明確で目的にあったルール
- 姿勢のルール:できる出来ないではなく、誰でもできるもの(リーダーが守らせることが第一歩)
人間関係のしがらみをいれることで精神的に疲れることをルールを決めることで回避する。
ダメなルール
- 主語は曖昧にしないこと
- 誰が何をいつまでにやるかを明確にする
「上が怒るよ」というようなリーダーである自分が部下と同じ位置からモノを言うはリーダーとして絶対にNG
責任逃れであり、部下となあなあな関係になってしまい部下の成長が止まる
後輩やチームメンバーに対してよくやってしまっていました。反省。。。
「位置」の思考法
ピラミッド組織は責任の所在が明確になっていれば、組織の成長スピードは最速な構造であり最適である。
ピラミッド構造で決定が遅いのはリーダーの責任の範囲が曖昧で決定の押し付け合いが起こり意思決定のスピードが落ちる。
リーダーの視点は「今」ではなく「未来」に置く。
その視点の高さがリーダーにとっては必要。
部下には「誰から評価されるのかを理解させること」。
そしてリーダーは感情による評価ではなく「平等に見ること」が求められる。
リーダーはお願いではなく指示をすること
1on1は「位置」を間違えたダメな方法
部下に寄り添うことがマネージャーの役割ではなくい。寄り添うリーダーが成長の止まっている状態を正当化することになる。
部下に確認するのは、あくまで「情報を吸い上げる」という行為。
自分が部下だったとき「寄り添うことなんて求めていなかった」はず。
うーん、、1on1はめんどうくさいと思うことはありましたが報告の場としてはよかったとは思います。 寄り添うことがダメなことは理解できますが、それで1on1がダメなことにはならないと私は思いました。
感情を置きルールで管理して位置によるコミュニケーションを取る。
部下とは友達にならずルールに従って淡々と事実を指摘することでパワハラにはならない。
社員は機能という考え方になるため、リーダーは「孤独」を感じることになる。
「仮面」をかぶり部下と距離を置くことで平等性が保たれる。
「利益」の思考法
人は自分に利益があると判断した時に動く。そのため付いていきたいと思われるリーダーは「利益をもたらしてくれる人」である。「楽に働きたい」という部下がいても本音と建て前があり、本心では成長意欲があること、を前提に考えるべきである。
これは令和のこのご時世でもいえるのでしょうか。。
成長意欲は楽になるための手段という考え方で、著者の考えは古いように感じました。(周りにいる建前を言う必要のない人が上司になりたくない、と言っていたのを複数見ているので大半はもしかしたらそうなのかもしれませんが)
会社で評価されない人が、社会から評価されることなんて、滅多にありません。
P154
肝に銘じます。
チームを組み大きい組織であればあるほど利益が大きくなる。(大企業の給料が高い理由はここ)
組織の全員が利益を向かわせる仕組みを考えるのがリーダーの役目。
初めてリーダーになったタイミングで組織の利益(自分の利益以外)を考える、が発生する。
誰かに好かれるかではなくチーム全体のパフォーマンスに視点を置く。
結果、組織のために働いたことが個人の利益につながっていく。
会社がつぶれるかもしれないという危機感や「組織の利益」が減ることに対して恐怖を感じることなど良い緊張感が重要。
優しいリーダーでは良い緊張感が生まれません。
大企業にいる人は社内の人間関係を気にしがちで、会社がつぶれる可能性のある人たちは率先して勉強したりします。
その緊張感をリーダーは提供すべきです。
言い訳を無くすコミュニケーション
部下からの報告には「事実」を拾うようにすることで言い訳を潰し、本人に自覚を促します。
一定のテンションでムラなく詰めないといわれた時だけやる人になってしまいます。
また、自分の価値観を押し付けても意味がありません。
実践した時に詰めるようにならないかが心配ですね、、
また良い緊張感というのを誤解しないようにします。(厳しくすることが良い緊張感につながる、という思考にならないようにします)
この世の中では競争から逃れることはできませんので、健全なるフェアな競争状態を作ることで部下に社会を生き抜く力が身に付きます。
「結果」の思考法
評価には自己評価と他者評価がありますが、評価とは他者から得られるものと結びついた概念です。どんなに自己評価が高くても他者評価が悪ければなんの意味もありません。
仕事のできる人は「評価者が求める成果を出せる人」です。
評価者は上司であって顧客ではありません。なぜなら顧客視点では「今」の評価を得ることになり「将来」の視点が欠落しています。
プロセスを評価すると「残業アピール」が発生するためリーダーはプロセスを評価してはいけません。
プロセスで評価しなくなると部下は本当はできていないにも関わらず良い返事をしてしまいます。
「言い訳を無くすコミュニケーション」を取りプロセスを評価しないことが必要です。
ほめてはいけない理由は期限内に任務を遂行するのは当たり前のことだからです。褒められるとその当たり前の基準が下がります。そのため、大きく成果を超えた時だけ褒めるようにします。
この考え方は自分もすごく大切だと思いました。
褒めないのではなく、当たり前のことには感謝をすることが良いのではないかと思いました。すごい成果がでたときには褒めるときはもちろんします。
360度評価もこの点では目標を決める権限のない部下が評価する矛盾状態になるため経営層が自らのマネジメントに自信がなく中間管理職を信用していないことになるため不要な評価です。
プロセス管理ではなく結果の管理をするべきなので最初に「目標設定」をして仕事を任せ、最後に「結果」を報告してもらい評価します。
必ず期限と状態を提示します。
目標を設定したら期限が来るまではリーダーから確認してはいけません。
部下からの報連相を待ちます。
過去の自分のやり方を押し付けるのはNGで、プロセスに口を出すのもNGです。もし何もわからなければ説明は必要ですが、早い段階で手を貸してしまうと部下が失敗から学べるチャンスを奪うことになります。
次にできなかったことを客観的事実にもとづき指摘します。その際に何を改善するのか提案させ次の目標を設定します。
「成長」の思考法
リーダーはチーム内の健全な競争が起こり始めたら管理することがメインの業務になります。
仮面をかぶり淡々と次の行動を考えさせ、未達なのであれば自分の状況がヤバいことを正しく認識させます。
リーダーは感情を動ないことが重要です。
また、リーダーは全体を見渡して指揮する立場なのでトッププレイヤーにはなってはいけません。
組織は成長の場を提供するのみで、成長を信じて待ちます。
人の能力には対して差がありません。そのため、一般的な超優秀な人を集めても成果は出ません。
組織適応能力は優秀さのひとつです。もし成果をあげるには組織適応能力がある人材を集める必要があります。
昔優秀だったプレーヤーがマネジメントにまわるとプロセスに口を出してしまいがちです。
人は経験によってのみ変わるため、伝えるだけでは変化は伴いません。
知識の量を増やすだけでは、本質的な変化にはつながりません。
本を読んだり、偉い人の話を聞いたりするだけで「自分が変わったような気分になる」
実際にtryをしないと何も成長につながっていないということですね、、
肝に銘じます。
まとめ
リーダーはルールと目標を設定して感情を入れずに部下に仕事を任せます。
期限が来たら結果を報告してもらい、結果に対する評価を客観的事実にもとづき行います。
部下は「結果」と「評価」のギャップを認識し、次の目標を変えるべき行動と一緒に設定します。
「結果」と「評価」のギャップを埋めることで「成長」します。